個人事業主が100万円の「持続化給付金」を申請する方法を3ステップで解説!

公開日: 2020.11.24
更新日: 2024.01.03
個人事業主が100万円の「持続化給付金」を申請する方法を3ステップで解説!

新型コロナウイルス感染症の拡大により、持続化給付金が支給されることが発表され、個人事業主は最大100万円を受け取れることになりました。

条件に該当すれば、個人事業主は誰でも給付金を受け取ることができます。

しかし、

「持続化給付金がよくわからない、どうやって金額が決まるの?」
「受給の条件や申請の方法について詳しく知りたい」

という悩みを持っている方もいるのではないでしょうか。

最大100万円を受け取れるかもしれないとは思いつつ、疑問点が多くて申請に踏み切れていない人もいるかもしれません。

そこで今回は、

  • 持続化給付金の知っておきたいポイント
  • 持続化給付金を受け取れる条件
  • 持続化給付金の申請に必要な書類
  • 持続化給付金申請完了から給付までにかかる期間

などについてご紹介します。

持続化給付金は、フリーランスを含む個人事業主が事業を継続できるように経済的援助をしてくれるものです。

しっかり受け取って、厳しい状況を乗り越えていきたいと考える個人事業主は多いでしょう。

「個人事業主が受け取れる持続化給付金について知りたい!」という方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね。

持続化給付金制度とは?知っておきたい3つのポイント

持続化給付金を受け取る個人事業主のイメージ

まずは、持続化給付金制度とはどういうものかを知っておきましょう。

持続化給付金は、感染症拡大によって大きな影響を受けた事業者の事業の継続を支えることを目的とした、事業全般に広く使える給付金です。

「感染症拡大によってお客さんが減り、売上が非常に低下した」といった事業者に経済的援助をすることで、事業継続や再起の糧となるとして支給されます。

フリーランスを含む個人事業主の場合でも、感染症拡大の影響で仕事が減ったり、働けなくなったりして売上が減少していれば適用され、最大で100万円支給されますよ。

ここでは、持続化給付金の知っておきたいポイントを3つご紹介します。

  1. 給付額の計算方法
  2. 申請期限
  3. 返済義務はあるのか

順番に見ていきましょう。

1.給付額の計算方法

持続化給付金の給付額は、次の計算方法にて導き出します。

給付金の給付額は、100万円を超えない範囲で、2019年の年間事業収入から、対象月の月間事業収入に12を乗じて得た金額を差し引いたもの

(出典:中小企業省 持続化給付金)

計算式で表すと、2019年度の年間事業収入ー(対象月の月間事業収入×12)です。

対象月とは「前年同月比で50%以上減少している月」を指します。

たとえば、2019年度の年間事業収入が400万円で4月の売上が40万円だったとします。
そして2020年の月間事業収入が15万円だった場合は、50%以上の売上減となっているため、持続化給付金を受け取る対象です。

この場合の計算式は「400万円ー(15万円×12ヶ月)=220万円>100万円」となります。

100万円を超えている場合でも支給額は最大100万円までなので、上記の場合の支給額は100万円です。

100万円を超えていない場合は、その金額が給付額になります。

このように、給付額は2019年度の年間事業収入と、対象付きの月間事業収入に12を乗じた金額との差分によって決定するのです。

2.申請期限

持続化給付金の申請期限は、2020年(令和2年)5月1日から2021年(令和3年)1月15日までと定められています。

申請期限を過ぎると申請ができなくなってしまうため、条件に該当する場合は早めに申請しておきましょう。

対象であるにもかかわらず、「手続きが面倒だからあとで申請しよう」と考えて申請期間が過ぎてしまっては損失が大きいです。

申請には書類の準備も必要です。
計画的に申請を進めましょう。

3.返済義務はあるのか

持続化給付金は、返済義務がありません

給付金とは条件に当てはまれば誰でも申請して受け取れるお金のことです。

融資などのように担保や返済義務が不要で受け取れます。

条件にさえ当てはまれば受け取れるので、事業者にとって大変心強い制度でしょう。


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持続化給付金を受け取れる3つの条件

持続化給付金を受け取れる3つの条件

持続化給付金のポイントについてお伝えしました。

最大で100万円が受給でき、返済義務も特にないので、売上が減少した個人事業主はもれなく受け取りたいものですよね。

持続化給付金を受け取るためには、一定の条件を満たしている必要があります。

自分が条件を満たしているかをよく確認した上で、申請を行いましょう。

持続化給付金を受け取れる条件は次の3つです。

  1. フリーランスを含む個人事業主である
  2. 2019年以前から事業収入(売上)を得ていて、今後も事業を継続する意思がある
  3. 2020年1月以降、コロナ禍によって前年同月比で事業収入が50%以上減少した月(対象月)がある

詳しく見ていきましょう。

1.フリーランスを含む個人事業主である

1つ目の条件は、フリーランスを含む個人事業主であるということです。

2019年(令和元年)以前からの確定申告をしているなど、事業による収入があることを証明する必要があります。

ただし、開業届の提出や、青色申告の有無は問われません。

2.2019年以前から事業収入(売上)を得ていて、今後も事業を継続する意思がある

2つ目の条件は、2019年以前から事業収入を得ていて、今後も事業継続の意思があることです。

事業収入を得ていることは、確定申告によって証明できます。

事業を継続する意思については「今後も事業を継続しよう」と考えていればよく、証明などは特に必要ありません。

3.2020年1月以降、コロナ禍によって前年同月比で事業収入が50%以上減少した月(対象月)がある

3つ目の条件は、2020年1月以降、コロナ禍によって前年同月比で事業収入が50%以上減少した月(対象月)があることです。

たとえば、2019年5月に40万円の事業収入があり、2020年5月には15万円になっている場合、前年同月比で50%以上減少しています。

このように前年同月比で見て50%以上減少した月があれば、給付の対象と見なされますよ。

自分の事業の収入を見直し、減少している月があれば確認してみましょう。

2020年1~3月開業でも対象!受給の要件とは

カレンダーとお金

持続化給付金を受け取れる条件として、「2019年以前から事業収入(売上)を得ている」ことが挙げられていました。

しかし、2020年1~3月に開業した個人事業主でも、要件に当てはまれば給付を受け取れます

「2020年から個人事業主になったから給付は受け取れない」と諦めず、自分が給付の対象に該当しているかを確認してみましょう。

受給の要件は次の2つです。

  1. 2020年1~3月に開業している(個人事業主になっている)
  2. 「2020年の開業月から2020年3月までの月平均の事業収入(売上高)」より「50%以上減少した月が2020年12月までにある」

それでは見ていきましょう。

1.2020年1~3月に開業している(個人事業主になっている)

1つ目は、2020年1~3月に開業している(個人事業主になっている)ことです。

2020年1~3月に事業を開始しており、事業収入があれば問題ありません。

あくまでも売上であり、利益でないことは注意しておきましょう。

2.「2020年の開業月から2020年3月までの月平均の事業収入(売上高)」より「50%以上減少した月が2020年12月までにある」

2つ目は、「2020年の開業月から2020年3月までの月平均の事業収入(売上高)」より「50%以上減少した月が2020年12月までにある」ことです。

もし2月に開業した場合、2月と3月の平均月間事業収入に対して、50%以上減少した月が4月から12月までの間にあれば給付が受け取れます。

たとえば、2月に60万円、3月に40万円の事業収入があった場合、月平均の事業収入は50万円です。このとき12月までに25万円を下回る月があれば、持続化給付金を受け取れる対象になります。

ひと月でも50%以上減少している月があれば、給付金の対象になりますよ。

2020年1~3月に開業した個人事業主は、まずは開業月~3月の月平均の事業収入を計算してみましょう。


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申請に必要な4つの書類とは

申請に必要な書類のイメージ

持続化給付金を受け取れる対象についてお伝えしました。
自分が条件に当てはまっているかをよく確認することが大切です。

給付対象である場合は、必要な書類を揃えて申請します。
書類に不備があると給付金の受け取りまでに時間がかかってしまうので、きちんと準備しましょう。

持続化給付金の申請では、次の4つの書類が必要です。

  1. 確定申告書類
  2. 対象月の売上台帳
  3. 通帳の写し
  4. 本人確認書の写し

それでは確認していきましょう。

1.確定申告書類

持続化給付金を申請するために、まず必要なのが確定申告書類です。

青色申告か白色申告かによって、必要な確定申告書類が変わります。

青色申告の場合、必要なのは「確定申告書別表一の控え(1枚)」と「所得税青色申告決算書の控え(2枚)」の合計3枚です。

一方で、白色申告の場合、必要なのは「確定申告書別表一の控え(1枚)」のみとなります。

自分の申告方式に応じて、書類を揃えましょう。

2.対象月の売上台帳

事業収入が減少したことを示すために、2020年分の対象とする月(対象月)の売上台帳が必要です。

売上台帳の様式は、任意のもので問題ありません。

エクセルや手書きの書類など、普段の経理作業で使用しているものを提出できますよ。

3.通帳の写し

給付金の受け取りのために、振込先の銀行の写しが必要です。

次の内容が確認できるようにしておきましょう。

  • 銀行名
  • 支店番号
  • 支店名
  • 口座種別
  • 口座番号
  • 口座名義人

申請が完了すれば、こちらの口座に給付金が振り込まれます。

4.本人確認書の写し

最後に、本人確認の写しの提出が求められます。

次のいずれかを用意しておきましょう。

  • 運転免許証
  • 運転経歴証明書
  • マイナンバーカード
  • 写真付きの住民基本台帳カード
  • 住民票の写しとパスポートの顔写真の掲載されているページ
  • 住民票の写しと健康保険証

個人事業主の場合は、本人確認書類がなければ申請できません。

忘れずに準備しておきましょう。

インターネットでの申請方法3ステップ

インターネットで申請してお金を受け取るイメージ

持続化給付金は書類を用意して提出することで申請できます。
さらに、書類が揃っていれば、インターネットからの申請も可能です。

インターネットで申請すれば、窓口に足を運ぶ必要がなく、手間をかけずに申請が完了します。

持続化給付金の窓口は混みやすく、感染拡大の可能性もあるため、インターネット申請もおすすめですよ。

インターネットでの申請方法は次の3ステップで簡単に完了します。

  1. 申請に必要な書類を画像データにする
  2. 専用サイトで 「マイページ」をつくる
  3. マイページで個人情報の入力と証拠書類のアップをする

順番に確認していきましょう。

1.申請に必要な書類を画像データにする

まずは、申請に必要な書類を画像データにします。

画像データにする方法は、スマホのカメラなどで写真を撮るだけです。

  • 確定申告書類
  • 対象月の売上台帳
  • 通帳の写し
  • 本人確認書の写し

上記の必要書類をそれぞれ撮影して、写真の画像データにしましょう。

2.専用サイトで 「マイページ」をつくる

次に、持続化給付金サイトでマイページを作成します。

作成の手順は、持続化給付金サイトにアクセスして次の流れで行いましょう。


STEP.1
STEP.1
申請するボタンをタップ

STEP.2
STEP.2
仮登録情報入力画面で必要事項を入力

STEP.3
STEP.3
届いたメールにあるURLにアクセス

STEP.4
STEP.4
本登録画面でログインIDやパスワードを設定

STEP.5
STEP.5
タイトル5
マイページが作成完了

これでマイページが作れます。

3.マイページで個人情報の入力と必要書類のアップをする

最後に、マイページで個人情報を入力して、必要書類をアップロードしましょう。

マイページでは、「宣誓」「基本情報入力」「売上入力」「口座情報入力」などを行います。

そして、撮影した必要書類の画像データをアップロードするのです。

これでインターネットからの申請は完了します。

入力情報と書類上の情報が異なると、不備として再度の手続きが必要になりますので、よく注意して入力しましょう。

申請完了から給付までにかかる期間

お金とカレンダー

持続化給付金の申請が完了すれば、あとは指定した銀行口座に振り込まれるのを待つだけです。

申請完了から給付までは2週間ほどかかります。

早くても1週間はかかるので、金銭的に余裕がない場合は早めに申請しましょう

もし提出した書類に不備があった場合は、さらに時間がかかることもあります。

申請完了から実際に受け取れるまで時間がかかることに注意が必要です。

不正受給をしたときの3つの処罰とは

不正受給した人のイメージ

「持続化給付金を受け取りたいけど、自分は条件を満たしていない」そんな方もいるでしょう。

条件を満たしていないのに虚偽の内容などで申請して受給すると、不正受給となります。

不正受給は必ず発覚し、重い処罰が課される犯罪です。

実際に不正受給をしたときの3つの処罰をご紹介します。

  1. 給付額に年利3%を上乗せした額に、さらにその額の2割を上乗せした額の返還を求める
  2. 申請者の氏名を公表する
  3. 悪質な場合は刑事告発する

詳しく見ていきましょう。

1.給付額に年利3%を上乗せした額に、さらにその額の2割を上乗せした額の返還を求める

一つ目の処罰では、給付額に年利3%を上乗せした額に、さらにその額の2割を上乗せした額の返還を求められます。

たとえば、最大給付額の100万円を不正受給した場合、1年後には「(100万円+100万円×0.03)+(100万円+100万円×0.03)×0.2=123.6万円」の返還を求められるということです。

不正受給すると、受け取った金額よりはるかに大きい金額を返さなければなりません

不正受給した金額をすでに使ってしまった場合、負担はかなり大きいでしょう。

2.申請者の氏名を公表する

不正受給をすると、返還を求められるだけでなく、申請者の屋号や氏名を公表されます

個人事業主にとって、給付金の不正受給者として屋号や氏名が公表されることは、信頼が失墜する大きなリスクです。

その後の事業の存続に関わる大打撃となってしまいます。

給付金で事業を継続しようとしたのに、不正受給によって個人事業主生命が絶たれては元も子もありません。

3.悪質な場合は刑事告発する

不正受給の手口が悪質だと判断された場合、刑事告発される可能性もあります。

たとえば、他人になりすまして不正受給をした人が、悪質なケースとして詐欺罪で逮捕された事例も実際にあるのです。

不正受給は犯罪であり、場合によっては人生に大きな傷をつけてしまいます。
給付金を受け取りたいがために、虚偽の申請をしてはあとから後悔することに。

故意の不正受給はもちろん、誤って不正受給をしてしまうことのないように十分注意しましょう

不明点がある場合は、持続化給付金サイトで確認や問い合わせをすると安心です。

まとめ:詳細な条件等は変更される場合があるので、持続化給付金の公式HPなども参考にしてください。

今回は、個人事業主が最大100万円を受け取れる持続化給付金についてご紹介しました。

持続化給付金の条件に該当している個人事業主は、売上が減少したぶん給付を受けることができます。

詳細な条件等は今後変更される場合もあるため、申請の際には要件をよく確認することが大切です。

持続化給付金制度を活用し、前向きに事業に取り組んでいきましょう。

持続化給付金について詳しく知りたい場合は、経済産業省の公式ホームページ、あるいは持続化給付金サイトをご覧ください。

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