人手不足の仕事を7つ紹介!就職・転職をするメリットとデメリットも解説
「人手不足の仕事は転職しやすい」と聞いたことがあるかもしれません。
人手が足りていない業界は、人を増やすために採用に積極的な姿勢であるケースが多いです。
そんななか、
「人手不足の仕事について知りたい」
「人手が足りていない企業に転職するメリットとデメリットは?」
「転職におすすめの人手不足の業界はどこ?」
と疑問を持っていないでしょうか。
今回は、
- 人手不足の仕事
- 人手不足になる原因
- 人手不足の業界に就職・転職するメリット・デメリット
などについてご紹介します。
「人手不足の仕事について詳しく知りたい!」という方は、ぜひ最後まで読み進めてくださいね。
人手不足の企業は多い
現状、人手不足の企業は多いです。
厚生労働省によると、企業規模別、産業別に見た人員不足感は2013年から加速し続けていることが明らかになりました。
(出典:厚生労働省「令和元年版 労働経済の分析 -人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について-」)
企業規模別のデータでは、特に中小企業の人員不足感が特に強いことがわかります。
一方で、産業別のデータでは、非製造業が特に強い状況です。
また、国内全体の企業の倒産件数は2009年以降減少している一方で、倒産の要因については「後継者難」が大半を占めるなか「求人難」が増加しています。
(出典:厚生労働省「令和元年版 労働経済の分析 -人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について-」)
つまり、人手不足で倒産する企業の割合が増えているということです。
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人手不足の仕事7選
国内で人手不足感が強まり、人手不足による倒産が増加している現状についてお伝えしました。
このまま人手不足が加速していけば、業界がスムーズにまわらなくなってしまうでしょう。
「特にどの業界が人手不足なの?」と気になる方もいるかもしれません。
まずは人手不足の業界を知り、現状を知ることが大切です。
ここでは、人手不足の仕事の業界7選についてご紹介します。
- 建設業界
- 運送業界
- 介護福祉業界
- 飲食業界
- 宿泊業界
- IT業界
- 保安業界
厚生労働省が毎月発表している「一般職業紹介状況」(2021年3月時点)や「参考統計表7-1」(2020年11月時点)をもとに、求人数や有効求人倍率もあわせて見ていきましょう。
有効求人倍率とは、1人に対しての有効求人の割合です。
倍率が3倍なら、1人あたり3件の求人があり、数字が高いほど人手が不足していることがわかりますよ。
それでは、各業界について順番にご説明します。
1.建設業界
建設業界は、いわゆる「土方」と呼ばれる土木工事で働く仕事が中心です。
職人気質の労働者が多く、労働環境の厳しさが特徴と言えます。
有効求人倍率は、建設・採掘の職業が5.25倍、建築・土木・測量技術士が5.32倍でした(2020年11月)。
なかでも建設躯体工事の職業は9.3倍で、全職業の中でも最も高い倍率となっています。
建設業の新規求人数は、77,650件です(2021年1月)。
前年同月と比較すると11.9%増加しています。
つまり、人手が足りず前年より求人を多く出している状態です。
2.運送業界
運送業界は、ネットショッピングの流通などによる流通量の爆発的な増加により、人手不足に陥っています。
近年はコロナにより外出を控え、インターネットで商品を注文するケースが増えました。
そのため、運送を担う人手が追いつかない状況です。
有効求人倍率は、運輸・郵便事務の職業が1.85倍、運搬の職業が1.02倍でした(2020年11月)。
運輸業・郵便業の新規求人数は、44,155件です(2021年1月)。
前年同月と比較すると、10.7%減少しています。
3.介護福祉業界
介護福祉業界は、仕事の大変さと賃金の安さが問題視されています。
超高齢化により介護や福祉の支援が必要な人は増える一方で、働く人手が集まらない状態です。
有効求人倍率は、社会福祉の専門的職業が2.99倍、介護サービスの職業が3.88倍でした(2020年11月)。
社会保険・社会福祉・介護事業の新規求人数は、147,396件です(2021年1月)。
前年同月と比較すると、2.6%減少しています。
4.飲食業界
飲食業界は、短期離職が多く常に人手が足りていない状態が続いています。
アルバイトやパートなどの非正規雇用の労働者を多く抱えている現状です。
有効求人倍率は、飲食物調理の職業が1.78倍、接客・給仕の職業が1.91倍でした(2020年11月)。
現在はコロナの影響で求人倍率もそれほど高くありませんが、コロナ前では3倍を超えることも珍しくありません。
宿泊業・飲食サービス業の新規求人数は、44,426件です(2021年1月)。
前年同月と比較すると、37.5%減少しています。
5.宿泊業界
宿泊業界は、シフト制など労働環境の厳しさから人手が不足しています。
小規模のホテルや小さな旅館など、宿泊業によっては賃金も低いです。
有効求人倍率は、接客・給仕の職業が1.78倍でした(2020年11月)。
宿泊業界も、コロナの影響で求人倍率が抑えられています。
宿泊業・飲食サービス業の新規求人数は、44,426件です(2021年1月)。
前年同月と比較すると、37.5%減少しています。
6.IT業界
IT業界は、業界の成長スピードに人手の育成が追いつかないことから、人手不足となっています。
有効求人倍率は、情報処理・通信技術者が1.2倍でした(2020年11月)。
特別高い数字ではないものの、今後の業界の規模拡大にともなって人手不足が加速すると予測されています。
情報通信業の新規求人数は、18,414件です(2021年1月)。
前年同月と比較すると、16.3%減少しています。
7.保安業界
保安業界は、有資格者の高齢化や入植者の減少により人手不足の状況です。
保安とは、警備員や自衛官などの職業を指しています。
有効求人倍率は、保安の職業が6.58倍でした。
人手不足になる原因3選
人手不足の仕事についてお伝えしました。
コロナの影響を受けた事業縮小により倍率が減少しているケースもあるものの、どれも人手不足が表面化している仕事です。
では、どうして人手不足に陥ってしまうのでしょうか。
各業界の人手不足には、何らかの原因があります。
ここからは、人手不足になる原因3選について見ていきましょう。
- 少子高齢化による影響
- 労働環境が改善されていない
- 採用の予算を確保できない
それぞれご説明します。
1.少子高齢化による影響
日本は少子高齢化が進んでおり、人手不足の大きな原因となっています。
子供が減少し、人口の高齢化が進むということは、働ける元気な若者が少なくなるということです。
厚生労働省の「平成28年度版厚生労働白書」では、労働力人口について2015年と比べて2030年は最大およそ800万人減少する見込みとなりました。
(出典:厚生労働省「平成28年度版厚生労働白書」)
そもそもの労働者人口が減少しているので、特に労働条件などが厳しい業界などには人が集まらなくなります。
少子高齢化は、国内の労働者人口を減少させる深刻な問題です。
2.労働環境が改善されていない
業界内で労働環境が改善されていないことも、人手不足の原因です。
国内の労働者人口が少なくなれば、労働環境の良い業界に人手が流れ、労働環境が整っていない業界は人手が不足します。
労働環境の整っていない業界は「3K」や「ブラック企業」などと呼ばれ、就職を避ける人が多いです。
また、労働環境の悪さが改善されない企業では、社員の離職率も高くなり、人手不足が加速します。
3Kについては、こちらの記事でご説明していますよ。
興味のある方は読んでみてくださいね。
3.採用の予算を確保できない
採用予算を確保できないことが原因で、人手が不足しているケースもあります。
もし採用予算が潤沢にあれば、大手求人サイトに求人を掲載したり、人手紹介サービスを利用したりできるでしょう。
しかし、採用予算がなければ求人を出せず、人手を集められません。
昨今では、コロナの影響を受けるなどして売上が減少し、人手は足りないけど採用に予算をかけられないから求人を出せないという企業は多いです。
人を採用できなければ、社内の人手は不足します。
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人手不足の業界に就職・転職するメリット3選
人手不足の原因についてお伝えしました。
労働環境に問題があるケースもあれば、単純に採用予算がないだけのケースもありましたね。
「人手不足の仕事って、就職・転職先としてはどうなんだろう?」と気になる方もいるでしょう。
人手不足の業界への就職・転職を検討するなら、メリット・デメリットを知っておくことが大切です。
ここからは、人手不足の業界に就職・転職するメリット3選についてご紹介します。
- 未経験でも採用されやすい
- 仕事の幅が広がる
- 出世がしやすい
さっそく見ていきましょう。
1.未経験でも採用されやすい
人手不足の業界はとにかく人手を求めているため、未経験でも採用されやすいというメリットがあります。
一般的に、新卒採用や第二新卒採用でなければ、未経験からの採用は難しいもの。
しかし、人手不足の業界は採用のハードルが低いため、未経験でも転職を成功させやすいです。
やる気があれば、ポテンシャルを見込まれて採用される可能性は高いですよ。
「新しい分野に挑戦してみたい」「未経験の業界に転職したい」と考えている方には、嬉しいポイントですね。
2.仕事の幅が広がる
仕事の幅が広がることも人手不足の業界に転職するメリットとして挙げられます。
人手不足の業界では、1人当たりの仕事量が比較的多くなりがちです。
つまり、より幅広い業務を担当できるということになります。
一貫した業務の能力が身につけば、キャリアアップにも役立つでしょう。
「細分化された仕事ばかりでキャリアにつながらない」と悩む方におすすめの選択肢と言えます。
3.出世がしやすい
人手不足の業界では出世がしやすいこともメリットの1つです。
人手が足りないのは、競争相手が少ないということでもあります。
任される仕事の幅が広いため実力もつきやすく、昇進などのスピードが早めです。
人手が多い業界だと「ずっとポストが埋まっていて若い世代が昇進できない」という状況もあります。
人手不足の業界なら、キャリアアップが実現しやすいでしょう。
人手不足の業界に就職・転職するデメリット3選
人手不足の業界への就職・転職のメリットについてお伝えしました。
未経験から積極的に仕事に取り組み、キャリアを積み上げたい人にはおすすめですよ。
一方で、人手不足の業界への就職・転職にはデメリットもあります。
デメリットを理解しておくことで、就職前後のギャップをなくし、納得して働くことができますよ。
ここからは、人手不足の業界に就職・転職するデメリット3選についてご紹介します。
- 離職率が高い
- 業務量が多い
- 将来に不安がある
順番に見ていきましょう。
1.離職率が高い
人手不足の業界のデメリットとして、離職率が高いことが挙げられます。
人手が不足する原因の1つに「労働環境が改善されていない」ことがありました。
労働環境が悪く改善されないことから人手が流出しているという状況は、各業界や企業で起きています。
ただし、労働環境は就職・転職する企業によってさまざまです。
労働環境が良くないとされている業界にも、働きやすい企業はあります。
就職・転職活動をするときは、労働環境に問題がない企業かどうかをチェックしましょう。
2.業務量が多い
人手不足の業界では、社員1人当たりの業務量が多いというデメリットがあります。
業務量に対して人手が足りないので、1人が抱える業務量が必然的に多くなるのです。
良く言えば「幅広い仕事に携われる」、悪く言えば「業務量が多い」という状況。
仕事にそれほど意欲的でない人はきついと感じるかもしれません。
業務量が多い職場でも、タスク管理や時間管理などのスキルが身についていれば、スムーズにこなすことができるでしょう。
仕事のタスク管理方法を5つのステップに分けて解説!コツやツールも紹介 仕事の時間管理方法を5ステップに分けて解説!おすすめのツール10選も紹介3.将来に不安がある
人手不足の業界は、場合によっては将来性が低く将来に不安があるというデメリットもあります。
コンビニやスーパーなどのレジ打ちといった簡単な接客業はその一例です。
近年、セルフレジを導入する店舗が増加しています。
将来的にはAIによる会計システムを導入した無人の店舗も普及し、人手が不要になる可能性が高いでしょう。
就職や転職を検討するなら、業界の将来性についても確認しておくといいですよ。
将来性のある業界については、こちらの記事を参考にしてみてください。
人手不足かつ将来性があるのはIT業界
人手不足の業界のなかでも将来性が高い業界は「IT業界」です。
IT業界は、業界の成長速度が速く、人材の育成が追いつかないことから人手不足になっています。
新しい技術や価値観を受け入れる業界なので、自分の能力を発揮しながら柔軟に働きやすい魅力があります。
未経験からIT業界を目指す場合は、「DMM WEBCAMP」などのスクールでスキルを身につけてから就職・転職活動をすると成功確率が高いですよ。
IT業界の魅力については、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
IT業界の5つの魅力とは!プログラミング未経験者や文系出身でも活躍できる理由を解説まとめ:人手不足の業界はデメリットだけではない
今回は、人手不足の仕事についてご紹介しました。
人手不足の業界には、メリットとデメリットがそれぞれあります。
業界の状況を踏まえた上で就職・転職する先を選べば、前向きなキャリアを築くことができるでしょう。
人手不足であっても将来性の高い業界は、あなたのキャリアへの挑戦に適しています。
就職・転職する業界として、人手不足の業界もぜひ視野に入れてみてくださいね。