フリーランスになるには?準備や必要な手続きを詳しく解説
近年は、新型コロナウイルスの影響もあり、リモートワークで働く人も増えました。
生活や働き方に意識を向ける機会も多くなったのではないでしょうか。
そんななか、
「フリーランスとして独立して、自由度の高い働き方がしたい」
「フリーランスになるには、何が必要なんだろう」
「フリーランスとして活動しやすい仕事は何かな」
と考えることはないでしょうか。
フリーランスという働き方も、あなたの理想とするキャリアを形成するための1つの道です。
今回は、
- フリーランスと個人事業主の違い
- フリーランスになるために必要なモノ
- フリーランスになりやすい職業
- フリーランスになる前に準備しておくこと
などについてご紹介します。
「フリーランスとして独立したい!」という方は、ぜひ最後まで読み進めてくださいね。
フリーランスと個人事業主の違い
「そもそも、フリーランスと個人事業主って何が違うんだろう?」と疑問に思う方は多いです。
フリーランスとは、企業や団体などに所属せず、個人で自由に契約を結んで仕事をする働き方を意味します。
個人で法人を設立して、法人名義で働くフリーランスも少なくありません。
一方で、個人事業主は、法人を設立せずに個人で事業を営む人のことです。
個人事業主は、事業のために従業員を雇用して、組織で活動するケースもあります。
なお、個人事業主という名称は、働き方ではなく事業・税制上の区分です。
法人が売上を法人の事業所得として申告するのに対し、個人事業主は個人の事業所得として申告します。
フリーランスは個人で仕事を請け負うため、個人事業主に該当するケースが多いです。
ただし、個人事業主でも店舗を営んで従業員を雇用している場合は、フリーランスとは呼びません。
個人で事業を営む | 法人を設立する | 団体や組織で活動する | |
フリーランス | ◯ | ◯ | ✕ |
個人事業主 | ◯ | ✕ | ◯ |
「フリーランスでも個人事業主でもある」「フリーランスだけど個人事業主ではない」、「個人事業主だけどフリーランスではない」などのケースは十分にありえます。
文脈によってどちらの言葉を使ってもいいケースもあれば、区別すべきケースもあるでしょう。
両者の違いを理解し、必要に応じて使い分けられるといいですね。
こちらの記事でも、フリーランスと個人事業主の違いについて詳しく説明しています。
フリーランスと個人事業主の違いはココ!開業届を出すべき理由や得られる補助金を細かく解説
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フリーランスになるために必要なモノ5つ
フリーランスと個人事業主の違いについてお伝えしました。
個人で事業を営むことは共通しているものの、少し意味が違うことがわかりますね。
「フリーランスになりたいけれど、どうすればいいだろう?」と感じている人が多いでしょう。
ここでは、フリーランスになるために必要なモノ5つをご紹介します。
- 専門的なスキル
- コミット力
- 学習意欲・向上心
- 営業力・コミュニケーション能力
- お金・体調の管理
順番に見ていきましょう。
1.専門的なスキル
フリーランスになるには、個人で仕事ができるだけの専門的なスキルが必要です。
フリーランスは、専門的なスキルを活かして案件をこなすことで、収入を得ます。
スキルがなければ、個人で仕事をして安定した収入を得ることは難しいでしょう。
フリーランスとして活動することを目指して、プログラミングスクールでスキル習得をする人も多いです。
フリーランスになるためのプログラミングスクールについて知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。
フリーランスになるためのプログラミングスクールの選び方を10個のポイントで解説!2.コミット力
フリーランスとして活動するために必要なのが、コミット力、つまり成果を出す力です。
フリーランスは、自分の働きがそのまま収入につながります。
働きが少なければ収入は減り、フリーランスとして食べていけません。
フリーランスは案件を受注して仕事をするため、クライアントから請け負う案件をこなして成果を出します。
継続的に案件を得るには、クライアントに喜ばれる成果を出し続けることが重要です。
フリーランスとして独立してからは、すぐに成果が出ないこともあるでしょう。
しかし、成果につながるまで諦めずに行動し、工夫することが大切です。
本業や副業など、いまからできることで成果を出し、独立に備えるといいですね。
3.学習意欲・向上心
フリーランスになるためには、学習意欲や向上心が必要です。
フリーランスは実力によって収入や働き方が変わるため、自身のスキルを磨く必要があります。
学習意欲や向上心があれば、積極的にスキルアップに取り組むことができ、収入にもつながるでしょう。
将来的にもフリーランスとして働き続けられるようにするには、学習意欲や向上心を持つことが大切です。
4.営業力・コミュニケーション能力
営業力やコミュニケーション能力も、フリーランスに必要なモノです。
目の前に仕事がある会社員とは違い、フリーランスは自分で仕事を獲得しなければなりません。
案件を受注するには、自分の能力や貢献性をアピールする営業力が求められます。
また、継続的に案件を依頼されるようなコミュニケーションも大切です。
フリーランスの仕事探しについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
フリーランスの仕事探しをわかりやすく伝授!仕事選びのポイントや自分を売り込む方法を解説5.お金・体調の管理
個人で働くフリーランスは、お金や体調の管理も自分でしなければなりません。
フリーランスは1年間の所得税を自分で支払うために、売上や経費の計算をして記録をつける必要があります。
また、自分が仕事を休めばそのぶん収入も減るため、体調管理も必須です。
普段から健康的な生活習慣を心がけ、体調を整えます。
いざというときの貯金もしておきましょう。
フリーランスになりやすい職業4選
フリーランスになるために必要なモノについてお伝えしました。
スキルだけではなく、案件獲得のための営業力や管理力が必要です。
「フリーランスになるには、どんな仕事が良いんだろう?」と悩む方もいるでしょう。
職業によっては、フリーランスとして活動しやすいもの、しにくいものがあります。
これから独立するなら、フリーランスとして活動しやすい職業を選びたいですよね。
ここでは、フリーランスになりやすい職業4選についてご紹介します。
- Webプログラマー
- Webデザイナー
- Webライター
- イラストレーター
さらに幅広い職業については、こちらの記事でまとめています。
気になる方はご覧ください。
それでは、フリーランスになりやすい職業4選を見ていきましょう。
1.Webプログラマー
フリーランスになりやすい職業の1つ目は、Webプログラマーです。
Webプログラマーは、WebサービスやWebシステムをプログラミングで開発します。
Webサイト制作をメインにする場合もあるでしょう。
Webプログラマーには、開発担当によって名称が変わるのが一般的です。
- フロントエンドエンジニア:ユーザーが触れる部分を開発する
- バックエンドエンジニア(サーバーサイドエンジニア):サーバーなどシステムの裏側を開発する
- フルスタックエンジニア:システム開発のすべてを担当する
フロントエンドエンジニアはHTMLやJavaScriptなどを、バックエンドエンジニアはPHPやRubyなどを使ってプログラミングをします。
いずれもパソコンとインターネット環境があれば仕事ができるので、フリーランスとして活動しやすい職業です。
フリーランスのWebプログラマーを目指したい方は、こちらの記事をご覧ください。
非公開: 【最強マニュアル】フリーランスプログラマーへの近道はコレだ!2.Webデザイナー
フリーランスになりやすい職業の2つ目は、Webデザイナーです。
Webデザイナーは、WebサイトやWebサービスのデザインをします。
見た目がきれいなだけでなく、操作性やわかりやすさも考慮したデザインが求められる仕事です。
Webデザインの仕事もパソコンとインターネット環境があればできます。
時間や場所にとらわれずに働ける職業と言えるでしょう。
フリーランスWebデザイナーに興味がある方は、こちらの記事も参考にしてみてはいかがでしょうか。
フリーランスWebデザイナーは厳しい?その理由と稼ぐための5つのコツなどを紹介3.Webライター
フリーランスになりやすい職業の3つ目は、Webライターです。
Webライターは、Web上の文章を書くことを仕事としています。
Webサイトの文章や、記事の執筆、コピーライティングなどがあるでしょう。
文章を書ければできるので初心者でも始めやすい職業と言えます。
ただし、目的に応じた文章を書くことが求められるため、質の高い文章を書くにはスキルが必要です。
パソコンとインターネット環境があればできるので、フリーランスになりやすいでしょう。
会社員の副業としてもおすすめです。
4.イラストレーター
フリーランスになりやすい職業の4つ目は、イラストレーターです。
イラストレーターは、オリジナルのイラストを描くことを仕事としています。
さまざまな媒体に使用するイラストを担当することになります。
自分が描きたいだけでなく、クライアントが求めているイラストを描くことが大切です。
仕事にはパソコンやペンタブレット、インターネット環境が必要になります。
時間や場所にとらわれず1人で作業できるので、フリーランスになりやすい職業です。
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フリーランスになる前に準備しておく5つのこと
フリーランスになりやすい職業についてお伝えしました。
これからスキルを身につけてフリーランスを目指すなら、ぜひ参考にしてみてください。
「スキルも身につけて、職種も決まったから、さっそく独立しよう!」という方もいるかもしれません。
しかし、すぐにフリーランスとして独立するのは要注意です。
実は、フリーランスになるときには独立前に準備しておくべきことがあります。
準備を整えてから独立することで、フリーランスとして良好なスタートを切れます。
もし準備不足だと、独立後に困ることもあるので、余裕を持って行動しましょう。
ここでは、フリーランスになる前に準備しておく5つのことについてご紹介します。
- キャリアプランを明確にする
- 仕事内容やブランディングを考える
- 貯金
- クレジットカード・ローンの申請
- 出産・育児について考えておく
1つずつご説明しましょう。
1.キャリアプランを明確にする
フリーランスとして独立する前に、キャリアプランを明確にしましょう。
キャリアプランとは、自分が今後どのような経歴を積み重ねるかという計画です。
自分が実現したいキャリアにとって、フリーランスという選択肢が本当に適切なのかを考えます。
また、フリーランスとしてずっと働き続けるのか、それともいずれ会社員に戻るのかなども考えておくと安心です。
キャリアプランの立て方については、こちらの記事をご覧ください。
キャリアプランとは?立て方のポイントと面接での回答例【例文あり】2.仕事内容やブランディングを考える
フリーランスとして独立してから「どんな仕事をしよう?」と考えるのでは遅いですよね。
独立前に、仕事内容やブランディングを考えるようにしましょう。
ブランディングとは、あなたがフリーランスとして提供する商品やサービスなどの価値に対して、クライアントに共通のイメージを認識させることです。
仕事内容をWebサイト制作と決め、「あの人に依頼すれば、洗練された見た目のWebサイト制作をしてくれる」などのイメージを持たせるブランディングをすることで、仕事受注につながります。
独立後に仕事内容を決めてブランディングをするのは大変なので、早めに行動しておきましょう。
3.貯金
フリーランスになる前にしておきたい大切な準備として、貯金があります。
フリーランスとして独立すると、しばらくは収入が安定しない可能性もあるでしょう。
思うように案件をこなせず、無収入の状態が続くかもしれません。
金銭的な余裕がなくなると、精神的にもとてもつらくなります。
「早く収入を得なければ」という焦りから、低単価の案件を受けて悪循環に陥るケースも少なくありません。
十分な貯金があることで、独立後に収入が少なくても地に足のついた活動ができます。
最低でも半年分の生活費は貯金しておきましょう。
1年分以上あれば理想的です。
4.クレジットカード・ローンの申請
フリーランスになる前に、クレジットカードやローンの申請をしておきましょう。
フリーランスとして独立すると、社会的信用が低下し、審査に通りにくくなります。
安定した収入がない個人は、クレジットカードを作れない、ローンを組めない可能性が高いのです。
フリーランスは生活費とは別に、事業用のクレジットカードがあると経理業務が楽になります。
できれば新しく作りたいところですが、独立後は作れないかもしれません。
社会的信用がある会社員のうちに、クレジットカードやローンを申請しておくことが大切です。
クレジットカードについては、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
個人事業主がクレジットカードを持つメリット5つを解説!おすすめのカード7選も紹介5.出産・育児について考えておく
フリーランスになる前に、出産や育児について考えておく必要があります。
出産や育児の時期は、仕事ができない可能性もあるでしょう。
収入面に余裕はあるか、仕事とどう折り合いをつけるのかを考えなければなりません。
会社員のように出産手当や育児休暇があるわけではないため、きちんと対応できるよう準備が必要です。
フリーランスになったらすべきこと7つ
フリーランスになる前に準備しておくことについてお伝えしました。
しっかり準備を整えてから、フリーランスとして独立しましょう。
次は、フリーランスになった後のことについて見ていきます。
独立後は、フリーランスとして各種手続きが必要です。
きちんと手続きを踏まなければ、税金面などで損をする可能性もあります。
何事もスタートが肝心です。
ぜひ独立後にやるべきことを把握し、行動できるようにしておいてくださいね。
ここでは、フリーランスになったらすべきこと7つをご紹介します。
難しく感じるかもしれませんが、1つずつこなしていけば大丈夫です。
詳しく見ていきましょう。
1.開業届を提出する
フリーランスになったらすべきことの1つ目は、開業届を提出することです。
開業届は、正式には「個人事業の開業・廃業等届書」といいます。
開業届を管轄の税務署に提出することで、公的に個人事業主となるのです。
開業届の提出は開業から1ヶ月以内と定められています。
ただし、1ヶ月を過ぎて提出しても特に罰則はありません。
フリーランスが開業届を提出するメリットや書き方については、こちらの記事で解説しています。
【完全版】フリーランスは開業届を出すべきか?書き方からメリットまで徹底解説2.青色申告承認申請書を提出する
フリーランスになったらすべきことの2つ目は、青色申告承認申請書を提出することです。
青色申告承認申請書は、確定申告の方法である白色申告と青色申告のうち、青色申告ができるようにするための書類となります。
青色申告は、白色申告よりも節税効果が高いです。
つまり、納税する金額を少なくして、手元により多くのお金を残せる申告方法と言えます。
青色申告承認申請書を提出しなければ、白色申告しか選べません。
開業届と同時に青色申告承認申請書を提出しておくことをおすすめします。
青色申告について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
個人事業主が青色申告をするメリット5つとは?白色申告との違いや条件についても解説3.健康保険・年金を切り替える
フリーランスになったらすべきことの3つ目は、健康保険・年金を切り替えることです。
会社員の頃は、会社の健康保険や厚生年金に加入していたでしょう。
フリーランスとして独立すると、健康保険と年金を「国民健康保険」「国民年金」に切り替える手続きをします。
健康保険や年金は、市役所などで手続きが可能です。
独立後は早めに切り替えの手続きを行いましょう。
フリーランスの年金については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
フリーランスの年金の基礎知識|会社員との比較や知っておきたい制度まで解説4.事業用口座を開設する
フリーランスになったらすべきことの4つ目は、事業用口座を開設することです。
フリーランスになると、生活費と事業用のお金を分けて管理したほうが、経理業務が楽になります。
事業用の口座を開設し、仕事の報酬の振込などは事業用講座を使うようにしましょう。
生活費は、事業用の講座からプライベートの口座にお金を移して使います。
面倒に感じるかもしれませんが、確定申告時にずっと楽になるので、用意するといいですよ。
5.会計ソフトを導入する
フリーランスになったらすべきことの5つ目は、会計ソフトを導入することです。
毎月の事業のお金を管理するのは、大きな手間がかかります。
会計ソフトを活用することで、経理業務の効率化が可能です。
事業用口座や事業用クレジットカードと連携すれば、報酬の振込や経費の支払いを自動で仕分けしてくれます。
初めての経理業務や確定申告は特に大変なので、会計ソフトを活用しましょう。
6.確定申告をする
フリーランスになったらすべきことの6つ目は、確定申告をすることです。
確定申告とは、1月〜12月の所得をもとに所得税を計算して金額を申告する手続きを意味します。
毎年1月15日〜3月15日に、前年の確定申告をするのです。
フリーランスとして活動すると、自分で所得税を計算して納税しなければなりません。
1年間の売上や経費の計算をするのは、かなり大変な業務となります。
そのため、毎月しっかりと経理業務をすることが大切です。
こちらの記事で、確定申告を効率良く行う方法についてご紹介しています。
個人事業主が確定申告を効率よく行う3つのポイントとは?必要書類や経費についても解説7.税金を支払う
フリーランスになったらすべきことの7つ目は、税金を支払うことです。
確定申告で申告した所得税を支払います。
確定申告や納税をしなければ、脱税として罰則があることもあるので、忘れないよう注意が必要です。
しっかりと所得税を支払うことで、社会的信用も少しずつ上がるでしょう。
フリーランスが支払う税金については、こちらの記事を参考にしてみてください。
フリーランスが支払う5つの税金の計算方法や注意点は?上手な節税の方法も解説まとめ:フリーランスになるにはスキルが大切
今回は、フリーランスになるにはどうすればいいかについてご紹介しました。
フリーランスは、個人で案件ごとに契約を結んで仕事をする働き方です。
会社員とは違い、時間や場所の自由度が高い働き方を実現できます。
フリーランスになるには、個人で仕事ができるスキルがなければなりません。
専門的なスキルはもちろん、営業や経理の能力も必要です。
まずは、フリーランスとして働く職種を決め、必要なスキルを身につけることから始めましょう。
フリーランスに向けて、ぜひ行動を起こしてくださいね。