転職での筆記試験はどんな内容?問題の種類と事前の対策を徹底解説
転職でも、筆記試験をおこなう企業はあります。
「中途採用は面接が重要」と言われることが多いですが、実は筆記試験も大切な要素の1つです。
筆記試験が実施される状況によっては、面接よりも重要になってくる場合も。
というわけで、この記事では、
- 筆記試験についての基礎知識
- 筆記試験の種類や問題例
- 転職者におこなわれる筆記試験の目的・重要性
- 転職者がやるべき筆記試験の対策
について詳しく紹介していきます。
転職を検討中の方、これから筆記試験を受ける予定がある方はぜひ参考にしてください。
転職での筆記試験は約5割の企業がおこなっている
一般的に、中途採用の場合、筆記試験よりも、面接の方が重視されると思われがちです。
ですが、このグラフを見ると、応募者の知識や能力チェック、採用前の最終判断材料として5割もの企業が筆記試験をおこなっていることがわかります。
特に、「技術系(機械/電気)」「技術系(科学/薬品)」では、筆記試験の実施率は60%以上。
製造業の技術職は、専門領域の知識やスキルを段階的に習得するため、中長期的にキャリアを形成していく傾向があり、職務や職場との適合性がより重視されます。こうした適合性は、職務経歴書や面接のみでは測ることが困難なため、筆記試験が用いられると考えられます。
(出典:転職サイトdoda)
逆に「クリエイティブ系」「医療系専門職」の筆記試験の実施率は40%を切っていて、筆記試験の実施が少ないことが分かります。
これらの職種は、選考時に資格やスキルが重視される傾向が強く、筆記試験を実施する求人は少ないようです。
(出典:転職サイトdoda)
もちろん、業界・業種にもよりますが、筆記試験がある業界に転職するなら、筆記試験の対策もしておきましょう。
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転職時の筆記試験について知っておくべき基礎知識
ここからは、転職者に向けておこなわれる筆記試験についての基礎知識をまとめています。
これを読めば、どんな筆記試験がおこなわれるか概要が分かるので、これから転職を考えている方は、ぜひ目を通しておいてください。
知識力と論理的思考力が試される
中途採用の筆記試験では、面接では判断できない能力を把握するためにおこなわれます。
なかでも「知識力」「論理的思考」は重要視されているポイント。
知識力を問われる試験では、一般常識/基礎学力に関する内容、専門知識に関する内容の2種類。
一般試験では、国語数学といった義務教育で学習する教科と時事問題が出題されます。
専門知識では、業界と職種に関係する問題について問われます。
例えば、システムエンジニアであれば、「プログラミングについて」といったイメージです。
論理的思考力を問われる問題では、与えられたテーマに対する小論文を書くのが一般的です。
また、四則演算、図形、確率といった数学の問題が出題されることも。
知識力の問題も論理的思考力の問題も、基本的に高等学校までの教育を受けている人であればそこまで難しいものではありません。
とはいえ、苦手な問題がある場合、事前の対策をしておいたほうがいいでしょう。
試験時間は約40分〜60分
試験時間は40分〜60分とそこまで長くありません。
一般常識や知識問題は、選択問題であることがほとんどですが、問題数が多い場合、時間配分を考えないと未回答の問題が出てきてしまう可能性もあります。
未回答の問題があった場合、仮に企業の合格点を通過していたとしても「計画性がない」と判断されてしまうこともあるので要注意。
筆記試験の点数による選考基準は企業によって違う
筆記試験の選考基準は企業によって違います。
一般的には、6〜7割の点数を基準にしていることが多い印象。
とはいえ、筆記試験の内容をどこまで重視するかも企業によって違うので、一概に筆記試験がダメだったから落ちるというわけでもありません。
企業によっては、筆記試験の点数が足りなかった時点で不採用のところもありますし、反対に筆記試験は参考程度に考えるだけという企業も。
筆記試験をどの程度重視しているのかは、もちろん事前には教えてもらえないので筆記試験をパスするに越したことはありません。
「筆記試験対策をしてきたか」という姿勢もチェックされていることがあるので、事前対策は必ずおこないましょう。
点数によっては筆記試験で落ちることもある
上述したように、一般的な合格ラインは6〜7割。
これを下回ってしまうと、筆記試験で落ちることもあります。
特に、営業職など人とのやり取りがある職種の場合、一般常識がない人材を採用したいとは思いませんよね。
「大学受験ぐらい気合を入れる必要がある」とは言いませんが、出題傾向をつかみ事前対策をすることをおすすめします。
転職者におこなう筆記試験の種類や問題例
実際に転職者におこなわれる可能性のある筆記試験の種類と、問題例を紹介します。
主な筆記試験の種類は以下の7つ
- 性格適性検査
- 能力適性検査
- 小論文
- 一般常識
- 専門知識
- 企業オリジナル問題
それでは1つずつ見ていきましょう。
1.性格適性検査
性格適性検査では主に以下の5つのポイントを測るために実施されます。
- ストレス耐性
- メンタルの強さ
- 積極性
- 責任感
- 組織への適合度
その際、用いられるテストは「CUBIC」と「クレペリンテスト」と呼ばれるものです。
CUBICとは
ある質問に対して「いいえ」「少しそうだ」「かなりそうだ」「非常にそうだ」の4つの選択肢から回答することで、個人の特性や性格を把握するためのテストです。
CUBICで回答する時に大切なのは、自分を偽らないこと。
「よく思われたい」という心理を働かせてしまうと、面接の際にボロが出てしまうことがあるからです。
また「ライスケール」と呼ばれる「ウソをついていないかをチェックする設問」も混じっているので要注意。
もし、ここに当てはまる回答をしてしまうと、検査に正しく回答していないと認識されてしまいます。
クレペリンテストとは
個人の特性や仕事ぶりを測るためのもの。
簡単な1桁の足し算をおこなっていき「作業量」「作業曲線」「誤答」から能力や性格、行動特徴を把握していくテストのこと。
クレペリンテストで、回答数が基準より少なかったり誤答が多いと不利な結果になることが多いです。
1桁の計算が苦手な場合、予め対策をしておきましょう。
2.能力適性検査
能力適性検査は、一般常識・基礎学力を問われる問題。
代表的な検査は「玉手箱」と呼ばれるものです。
玉手箱とは
玉手箱は「日本エス・エイチ・エル」が作成しています。
- 計算理解テスト
- 言語理解テスト
- 英語
- 性格
- 意欲
などの科目で構成されている検査。
玉手箱は、webで練習問題を解くことができます。
株式会社マイナビが提供している「【すぐできる玉手箱対策】練習問題&解答・解説をチェック」で練習問題にチャレンジしてみてくだ
さい。
玉手箱で出題される問題は回答に使える時間が短いのも特徴なので、その点も意識しておくと良いでしょう。
3.SPI
SPIはもっともよく使われている筆記試験。
この記事を読んでいるあなたも、新卒の際、SPIの試験を受けたことがあるかもしれません。
SPIは「リクルートキャリア」が開発した適性検査。
- 基礎能力を測る「能力テスト」
- 仕事の適性を測る「性格検査」
の2種類があります。
能力テストでは、主に以下の4つの能力を測ることができます。
- 英語力
- 構造的把握力
- 言語能力
- 非言語能力
SPIには、検査対象者によって種類があり、なかでも中途採用に特化したテストを「SPI3-G」と呼ばれています。
転職対策の際には、SPI3-Gを参考にすると良いでしょう。
SPIもインターネット上で練習問題を解くことができます。
こちらのSPI無料学習サイト「StudyPro」にアクセスしてみてくだ
さいね。
4.小論文
業種や職種によってテーマは違いますが、企業から出題されたテーマに沿った小論文を書いていきます。
高校・大学受験などで小論文を書いたことがある方も多いですよね。
時間や文字数に制限があるなかで、自分の意見を簡潔にわかりやすく、そして説得力のある内容にまとめることが大切です。
大人になると文章を書く機会も少なくなってくるので、事前に「志望動機」をテーマに小論文を書く練習しておくと良いでしょう。
5.一般常識
一般常識は、基礎学力や情報処理能力、時事問題などで構成されており、先に説明したSPIなどが含まれることもあります。
ノーベル賞受賞者の名前、その年度の国家予算などを聞かれることも。
義務教育で習う問題の復習や、最新のニュースをチェックしておくなどの対策が有効です。
6.専門知識
ITエンジニアや金融業界、研究開発職では職務遂行能力を判断するために、専門知識を問われることが多くあります。
業界や職種によって変わりますが、ITエンジニアならプログラミング、研究開発なら物理や科学に関する知識といった具合。
今まで働いてきた業界と同じなら、全く問題ないでしょう。
ですが、異業種への転職の場合は真剣に対策をしておかないと、「全くわからない」なんてことになりかねません。
事前にリサーチをおこない、どんな問題が出題されるのか把握しておきましょう。
7.企業オリジナル問題
企業によってはオリジナルの試験をおこなっているところもあります。
「当社のスローガンは?」「前年度の売上は?」などを聞かれることもあるでしょう。
また、入社後に取り組みたいことや業界で話題になっていることなどを論文形式で回答する試験もあります。
論文形式で回答するような問題は、コンサルタント職やクリエイティブ職など、文章で説明する力を試される職種で多く見受けられます。
企業分析や業界分析をおこなうことで対応できるので、事前に調べておきましょう。
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転職者におこなう筆記試験の目的や重要性
転職採用試験では、筆記試験が「いつ」おこなわれるかによって、その目的や重要性が変わってきます。
重要度によっては、筆記試験だけで「落ちる」可能性もあるので注意が必要です。
それでは「1次試験」「一般面接」「最終面接」でおこなわれる際のそれぞれの重要度を見ていきましょう。
1次試験での筆記試験:応募者のふるい落とし
1次試験でおこなう筆記試験の目的は、ずばり「応募者のふるい落とし」。
応募者数が多い求人では、1次試験に筆記試験がおこなわれます。
ふるい落とし目的でおこなわれる1次試験での筆記試験は「能力適性検査」「性格適性検査」をおこなうことが多いでしょう。
1次試験で落ちてしまうと、次の面接を受けることができなくなってしまいます。
中途採用の場合、面接の内容が重視されることが多いので、1次試験で落ちるのは絶対に避けたいところ。
もし、1次試験で筆記試験がおこなわれるなら、気を引き締めて事前対策に臨みましょう。
一般面接での筆記試験:採用可否
一般面接でおこなわれる筆記試験の目的は「採用の可否」。
筆記試験が面接と同時におこなわれる場合、筆記試験よりも面接の内容が重視されることにはなります。
ただし、あまりに筆記試験の内容がひどいと「不採用」になってしまうこともあるので要注意。
少なくとも7割〜8割の点数は取れるように対策しておく必要があります。
最終面接での筆記試験:最終判断
最終面接で筆記試験がおこなわれる場合は採用の最終判断になることが多いです。
この場合「採用はほぼ決定だけど、念の為に適正を把握したい」ということがほとんど。
そのため、よほどひどい結果でなければ問題はないでしょう。
ですが、反対に「最終選考まできたけど採用者が絞れない」ということも有り得ます。
この場合は、筆記試験の良し悪しであなたが採用されるか他の人が採用されるかが決まるので、真剣に臨まなくてはいけません。
とはいえ、実際にどんな状況でおこなわれるかは企業だけが知ること。
余計なことは考えずに、しっかりと筆記試験を受けることが大切です。
転職時の筆記試験の受験方法を解説
筆記試験の受講方法は2パターン。
- 企業のオフィスまたは指定された場所でおこなうテスト
- 自宅のPCでおこなうWebテスト
企業に指定された場所で受ける場合は、「テストセンター」に設置されたPCで受験をおこないます。
自宅でおこなう場合は、企業から送られてきたURLとIDでログインして受験をおこなうのが一般的。
転職者がやるべき筆記試験の対策3つ
筆記試験の内容が採用にどれくらい関わってくるかは企業によって変わりますが、点数が良いに越したことはありません。
これから紹介する3つの事前対策をしっかりとおこない、筆記試験をパスしましょう!
1.性格適性検査の「好まれる回答」をするだけではダメ
性格適性検査には「好まれる回答」が存在します。
これは、もちろん企業が望んでいる「人材」になりきることです。
ですが、性格適性検査には「意味は同じでも言い回しが違う」質問があり、前後の回答と異なると一貫性がなく、検査結果を疑われる可能性も。
さらに、ライスケールと呼ばれるウソを見抜くための質問もあるので、「自分を偽る」とすぐにバレる可能性が高いです。
「好まれる回答をするべき」「自分を偽ってはいけない」
なかなか難しいところですよね。
テストである以上「受かるための回答」をするのは普通のこと。
性格適性検査の文章をしっかり読み、矛盾がないように好まれる回答をしていくのが限りなく正解に近いということになります。
2.能力適性検査を突破するためには事前準備が大切
能力適性検査は、性格適性検査とは違い、事前準備で確実に点数を取ることができます。
専門的な知識は出題されないとはいえ、準備を怠ると「問題の意図を勘違いする」「計算ミス」などのケアレスミスをしてしまうことも。
確実に筆記試験を突破するためにも市販の問題集などで、出題傾向を把握し予習をしておきましょう。
3.常に最新のニュースを把握しておこう
筆記試験では時事問題が出ることが多いです。
時事問題はリアルタイムで話題になっていることが出題されるため、TVや新聞、ニュースアプリなどで常に最新のニュースを把握しておきましょう。
なかでも、転職を希望する業界や社会に関する経済ニュースは関連書籍を読むなどして背景を理解しておくことが大切。
ニュースについて自分なりに意見をまとめておくことで小論文問題への対策にもなります。
時事問題に関しては、日頃からの積み重ねで対応できるので「1日1回はニュースのまとめを見る」などして知識を蓄えておきましょう。
まとめ:転職の筆記試験は事前対策で十分にパスできる
ここまで説明してきたとおり、転職の筆記試験は事前の対策をきちんとおこなうことで十分にパスできる内容になっています。
1つ注意するとしたら「専門職でかつ異業種に転職する場合」。
専門職の場合「専門知識」を問われる問題が出題されることが多く、未経験で答えられるものではありません。
一般常識の事前対策も大切ですが、それよりも専門知識を身につけるほうが重要と言えるでしょう。
未経験からITエンジニアなどを目指すならプログラミングスキルを学んでおくとかなり有利になります。
未経験でも、十分なスキルがあれば「即戦力」として働くことも不可能ではありません。
専門知識と共にスキルを学べる環境に身を置くのも1つの手です。