個人事業主は税理士に依頼すべき?相談する5つのメリットと注意点を徹底解説
「1人で確定申告の書類を作成するのは大変だ…」
「領収書の整理や経理処理に時間がかけられなくなってきた…」
と思うことはありませんか?
煩雑な経理処理は税理士を雇ったほうがいいのか悩みますよね。
では、どのくらいの売り上げになったら税理士を依頼すべきなのでしょうか?
そこで今回は、
- 個人事業主が税理士を依頼するメリットとデメリット
- 年商別の税理士の顧問料
- 税理士を選ぶ際のポイント
について詳しく解説します。
この記事を見れば、個人事業主が税理士を依頼すべきタイミングが見つかるようになります。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
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個人事業主が依頼すると税理士が担当する3つの仕事内容
個人事業主が税理士に依頼を検討する際には、税理士の仕事内容を正確に知っておくことが必要です。
これから紹介する3つの仕事は税理士資格の保有者でしかできない仕事です。
いわゆる「独占業務」と呼ばれる、税理士が担当できる業務は以下の3つです。
- 税務代理
- 税務署類の作成
- 税務相談
それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
1.税務代理
税務代理とは、納税者に代わって税金の申告や申請を税務署におこなうことです。
また、申告および納税だけでなく、申告後の税務署とのやり取りにも関わります。
税務調査が入った場合には、税理士が立ち会って会計帳簿や証拠書類の説明や主張します。
また、税務署などの決定に不服申し立てなどが税務代理の主な業務です。
2.税務署類の作成
税務書類の作成とは、税務署や市役所などの各自治体に提出する書類を、納税者に代わっておこなうことです。
ここでいう「税務書類」というものは、具体的にまとめると、
- 各種確定申告書
- 決算書および中間決算書
- 総勘定元帳および残高試算表
- 給与計算関連の書類
- 源泉所得税納付書
などが挙げられます。
原則的には、納税者が税務関連の書類を作成することになっています。
しかし、納税者だけでは書類作成が難しいため、税理士の代行が認められているのです。
3.税務相談
税務相談とは、相談者の依頼に応じて税務書類などの作成に関する相談に対応することです。
税務署への申告書などを作成するには、税金を計算する必要があります。
具体的な相談内容は以下のとおりです。
- 税務的な解釈
- 所得税や相続税などを含む納税額の算出
- 年末調整
- 節税方法
これら納税に関わる相談ができるのは、税務の専門知識をもつ税理士だけです。
また、税務関連の内容だけでなく、経営についての相談もできます。
単独で動く機会の多い個人事業主にとって、今後の方針の相談相手ができるのは心強いことでしょう。
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個人事業主が税理士に経理を依頼する5つのメリット
税理士との契約には、大きく分けて2種類あります。
- 都度契約:必要な業務だけを依頼して顧問料が発生する形態
- 顧問契約:毎月または年間を通して顧問料を支払う形態
ここでは、「都度契約」か「顧問契約」のどちらを依頼すべきかを迷っている方のために、「顧問契約」の5つのメリットを解説していきます。
- 面倒くさい税金の計算や帳簿付けを任せられる
- 事務作業の負担を減らして本業に集中できる
- 確定申告間近に焦る必要が無い
- 融資や補助金など経営に関してのアドバイスがもらえる
- 経理担当従業員よりも低コストで雇える
それでは、詳しく見ていきましょう。
1.面倒くさい税金の計算や帳簿付けを任せられる
税理士は税金の計算方法や帳簿の知識を熟知しているので、正確に処理してくれます。
とはいえ、人によっては税理士に依頼しなくても市販の会計ソフトを使えば、確定申告の作成や帳簿付けができると思う人もいるでしょう。
しかし、帳簿の知識がなく迷いながらデータ入力をしても、本当に正確な帳簿付けができているかは判別できません。
法律の規定に沿った正確な税務書類の作成や帳簿付けは、税理士に任せることが安心です。
2.事務作業の負担を減らして本業に集中できる
顧問税理士に確定申告や記帳などの経理業務を代行してもらえば、事務作業の負担を軽減できます。
本業が忙しくなると、領収書の整理や帳簿付けなどの経理業務に手が回らなくなります。
経理業務に多くの手間や時間をかけて、本業が疎かになるのは本末転倒です。
経理業務から解放されるので、その分の時間を事業に専念できるようになります。
3.確定申告間近に焦る必要が無い
税理士に日頃の経理業務や確定申告の書類作成などを任せておけば、確定申告の心配がなくなります。
税理士が、計画的に確定申告や税金の納付などの業務をおこなってくれるからです。
また、納税者の代わりに税務署へ確定申告の書類提出もしてくれます。
確定申告の提出期限ギリギリに、急いで書類作成をする必要がなくなるのです。
4.融資や補助金など経営に関してのアドバイスがもらえる
顧問税理士は税務関連の業務をおこなうだけでなく、経営していく上での悩みや問題が起きた時のよきアドバイザーになってくれます。
事業を拡大したい考えた時は、税理士が資金繰りの相談にものってくれます。
金融機関からの融資や自治体からの補助金の手続きにも熟知しているので、必要な書類作成まで依頼が可能です。
顧問税理士は個人事業主の財務状況を把握しているからこそ、最適なアドバイスがもらえるのです。
5.経理担当従業員よりも低コストで雇える
経理担当の従業員を雇うよりも、顧問弁護士と契約した方が経費を抑えられます。
経理担当の従業員を1人雇うと、毎月の人件費が必要になってくるからです。
できるだけ経費を抑えたい個人事業主にとっては、大きなコストとなるでしょう。
経理業務や確定申告を税理士に依頼すれば、依頼内容に応じた報酬額となるため安く済ませられることもあります。
個人事業主が税理士に相談する2つのデメリット
顧問税理士と契約することで考えられるデメリットは2つです。
- 費用面が高くつくこと
- 経費や税金などの税務に関する知識が身につかない
とくに、顧問弁護士にかかる費用が、事業の規模や売上に相応するどうかを見極めなくてはなりません。
詳しく解説していきます。
1.費用面が高くつくこと
顧問税理士と契約するデメリットのひとつは、月々の顧問料が発生することです。
税理士に依頼することで、自分で処理すればかからない費用や固定費が必要となってきます。
個人事業主の事業規模によっては、顧問料に見合わない経費となってしまうこともあります。
経理業務から解放される分、費用がかさんでしまうことを考慮しましょう。
2.経費や税金などの税務に関する知識が身につかない
税理士に経費業務を任せると、税務に関する知識を得る機会が減ることもデメリットのひとつです。
自分で帳簿付けや税金の計算をするのなら、わからないことがあった時は自分で調べることで知識が蓄積されます。
しかし、過程を経ずに結果だけを見るのでは、お金の流れをしっかり把握できない可能性もあります。
事業の経営者としては、最低限の税務知識を押さえておくことは大切です。
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税理士に相談する際に個人事業主が覚えておくべき5つのこと
「売り上げがいくらぐらいなら税理士を依頼すべきか」と迷っている人も多いでしょう。
事業が拡大して売り上げが増えると、税務の専門知識がないと手に負えなくなる可能性が出てきます。
税理士に依頼する際に、以下5つのポイントを覚えておきましょう。
- 経理業務の手間が増える
- 納税額が増えるため、節税の相談する方が安心
- 売上高1,000万を越えた2年後に消費税の課税事業者になる
- 売上高1,000万を超えると税務調査の可能性が高くなる
- 事業を伸ばすためにやるべき業務に集中するべき
順番に解説していきます。
1.経理業務の手間が増える
事業が拡大するにつれて、経理業務や申告業務が煩雑になります。
必要経費などの支出も増えて、処理しなければならない領収書の枚数も増えるからです。
そうなると、経理業務にかかる手間も時間もかかり、1人では手が回らなくなってしまいます。
本業も忙しくなってくるので、さらに経理業務に使える時間はなくなっていくでしょう。
2.納税額が増えるため、節税の相談する方が安心
売り上げが上がれば、必然的に納税額も増えていきます。
せっかく売り上げが増えたにもかかわらず、何の策も講じないと納める税金が増えるばかりになってしまうのです。
そうならないためには、顧問税理士に依頼して節税対策をしていく必要が出てきます。
専門の知識をもつ税理士に相談して、どのような節税対策ができるのかアドバイスをもらえると安心です。
3.売上高1,000万を越えた2年後に消費税の課税事業者になる
売上高が1,000万円を超えると、2年後には消費税の課税事業者になります。
消費税の課税事業者は、消費税の納税額を計算して、消費税の確定申告をする必要があります。
消費税の確定申告書を作成するには消費税法の知識が必須のため、正確な申告をする難易度は高いです。
そのため、売り上げが1,000万円以上になった時に、税理士に依頼した方がいいと考えられています。
4.売上高1,000万を超えると税務調査の可能性が高くなる
消費税の課税事業者となる売上高1,000万円以上の個人事業主は、税務調査の対象となる可能性が高くなります。
個人事業主だけで税務調査に対応するのは、時間的にも精神的にも大きな負担です。
また、専門家である税理士の立ち会いがなく自分1人で税務調査を受けても、好ましい結果にならないことが多いのです。
税務調査に備えて顧問税理士と契約しておけば、税務署への対応を任せられます。
5.事業を伸ばすためにやるべき業務に集中するべき
売上高が1,000万円を超えると、個人事業主がすべての業務をこなすのは難しくなってきます。
さらなる売り上げを目指すのであれば、経営者としての本業に専念できるように環境を整えていかなくてはいけません。
とくに経理業務は専門知識が必要なので、費用をかけてでも専門家である税理士を雇うのがいいでしょう。
顧問税理士と契約することは、事業を拡大するための必要経費でもあるのです。
【年商別】個人事業主が税理士に依頼するときの顧問料の相場
税理士に依頼すると、どのくらいの顧問料を支払うことになるのか気になります。
税理士の顧問料は、だいたい「年商」と「訪問回数」で決まります。
年商別にまとめた顧問料の目安は、以下のとおりです。
年商 | 訪問回数 | 顧問料の目安 |
年商500万円未満 | 決算のみ | 70,000円~/年 |
年商500万円以上1,000万円未満 | 3-4ヶ月に1回 | 10,000円~/月 |
決算のみ | 100,000円~/年 | |
年商1,000万円以上3,000万円未満 | 2ヶ月に1回 | 20,000円~/月 |
3-4ヶ月に1回 | 15,000円~/月 | |
決算のみ | 150,000円~/年 | |
年商3,000万円以上5,000万円未満 | 毎月1回 | 25,000円~/月 |
2ヶ月に1回 | 20,000円~/月 | |
3-4ヶ月に1回 | 15,000円~/月 |
年商別に、詳しく見ていきましょう。
1.年商500万円未満のケース
年商500万円未満の場合、毎月の帳簿付けは個人事業主自らおこなえるでしょう。
また、正確に確定申告をしたい場合は、年に一度の確定申告時だけの単発(スポット)契約が可能です。
顧問料は、年70,000円~が相場です。
2.年商500万円以上1,000万円未満のケース
年商500万円以上1,000万円未満の場合は、経理業務が増えてくるため、1人ですべてをこなす時間を取れなくなることもあります。
そのため、年1回の確定申告時だけでなく、年間を通して税理士に経理業務を任せることが増えてきます。
顧問料の目安は、以下のとおりです。
- 3~4ヶ月に1回の場合、月額10,000円~
- 確定申告の時だけ依頼する場合、年額100,000円~
顧問契約にまで至らなくても、年に2~3回の割合で税理士に依頼することで面倒な経理業務が軽減できます。
3.年商1,000万円以上3,000万円未満のケース
年商1,000万円を超えてくると、事業の拡大にともない経理業務が増えて複雑になってきます。
一般的に、年商1,000万円以上の個人事業主は、税理士と顧問契約を結んだほうがよいとされています。
また、売上1,000万円以上は消費税の課税事業者となるので、適正な申告をするためには税理士に対応してもらうことも理由のひとつです。
顧問料の目安は、以下のとおりです。
- 訪問回数が2ヶ月に1回の場合、月額20,000円~
- 訪問回数が3-4ヶ月に1回の場合、月額15,000円~
- 確定申告の時だけ依頼する場合、年額150,000円~
さらに、年間売上1,000万円以上の年商になると、税金の関係で法人にした方がお得になります。
このタイミングで、個人事業主から事業の法人化を検討してみましょう。
4.年商3,000万円以上5,000万円未満の場合
年商3,000万円を超えてきたら、税理士と顧問契約を結んで、年間を通して経理業務をすべて任せましょう。
納税額もかなり増え節税対策が必要となってくるので、税理士に経営に関する相談にものってもらえます。
顧問料の目安は、以下のとおりです。
- 毎月訪問の場合、月額25,000円~
- 訪問回数が2ヶ月に1回の場合、月額20,000円
- 訪問回数が3-4ヶ月に1回の場合、月額15,000円~
事業規模が大きくになるにつれて、経理業務にとどまらず一歩踏み込んだ税理士の関与が重要になってきます。
財務のリスク回避や資金調達をスムーズにおこなえるようなサポートを期待できるメリットがあるからです。
個人事業主が税理士に依頼する際の3つの基準
税理士に経理業務を依頼する際に最も重視すべき点は、信頼できる人であるかどうかです。
なぜなら、税理士は経営状態をすべて把握し、事業を理解してもらうことになるからです。
また、万が一納税でトラブルが起こったり、税務調査が入った時にはしっかりと対応してもらう必要もあります。
以下の3つの基準を満たしていることで、信頼できる人を見つけられるでしょう。
- 長く続けられる税理士を探す
- 税務申告以外の相談もできる税理士にする
- 向上心が高く日々勉強している税理士にする
順番に解説していきます。
1.長く続けられる税理士を探す
顧問契約をするには、長く付き合っていける税理士に依頼したいものです。
相性が合わなかったり信頼がおけないという理由で税理士がコロコロと変わるようでは、手間や時間が取られてしまいます。
契約をする前には必ず税理士と面談をして、
- 話しやすい人柄か
- 真摯に対応してくれそうか
- 説明がわかりやすいか
などを確認しましょう。
長期的に付き合っていくには、信頼関係を築ける税理士に依頼することが大切なのです。
2.税務申告以外の相談もできる税理士にする
顧問契約をすると、確定申告や経理業務を任せることがメインとなります。
しかし、このような税務申告に関わる業務だけでなく、経営改善や経営方針を相談できる税理士を選びたいものです。
具体的には
- 売り上げや利益を伸ばすにはどうしたらいいのか
- どんな経費がムダなのか
- どうしたら経費を削減できるのか
など、事業に応じたアドバイスや提案をしてくれる税理士は強い味方となります。
3.向上心が高く日々勉強している税理士にする
毎年のように税に関する法律が改正されるので、知識や情報のアップデートに努める向上心の高い税理士を選びましょう。
法律の改正を見落としたばかりに、申告内容に誤りが生じて追徴課税というペナルティが発生することもありえます。
また、専門知識が高かったり経験が長くても、変化に対して柔軟に対応できない人ではトラブルを生んでしまうこともあるでしょう。
そのため、常に自己研鑽に励んでいる税理士に依頼することが重要です。
まとめ:個人事業主は長期的に依頼できる税理士を検討しよう
顧問税理士と契約するメリットは、個人事業主が本業に専念できることです。
税理士に依頼できる内容が、税務に関する煩雑なことをすべて網羅しているためです。
また、時には事業拡大のために経営のアドバイスがもらえるのは、心強いパートナーともいえるでしょう。
- 帳簿付けや確定申告などの税務処理をすべて任せられる
- 税務調査の対応の心配がなくなる
- 節税対策のアドバイスを受けられる
- 経営に関する相談ができる
年商1,000万円を超えたあたりから、信頼できて長く付き合っていける税理士を雇うことを視野に入れるのはいかがでしょうか。